映画人九条の会Mail No.57

2014.09.12発行
映画人九条の会事務局

目次

「戦争する国づくりは許さない」の声で、 安倍内閣の改憲暴走を止めよう!

 多くの人々の反対の声を押し切り、解釈改憲で集団的自衛権の行使を容認する閣議決定をした安倍内閣は9月3日に内閣改造しましたが、その改造内閣の19人の閣僚のうち15人が改憲・右翼団体「日本会議」を支援する「日本会議国会議員懇談会」のメンバーでした。まさに「戦争する国」づくりまっしぐらです。
 でも、勝負はこれからです。閣議決定だけでは海外で戦争をすることは出来ません。安倍内閣は閣議決定にもとづいて、自衛隊法やPKO法、周辺事態法など20近い関連法の改定を行わなければなりません。年末に予定される「日米安保のガイドライン」の見直しを経て、来年の通常国会にはこれらの戦争関連法制が出てきます。九条の破壊を許さず、「戦争する国」にさせない闘いはまさにこれからが大事なときです。
 九条の会は10月を全国統一行動月間に指定し、この期間に全国のすべての九条の会が最低限1回は何らかの行動に取り組むよう呼びかけています。全国から「戦争する国づくりは許さない」の大きな声を挙げ、安倍内閣の改憲暴走を阻止しましょう!

★ 映画人九条の会は2014年6月19日、「集団的自衛権の行使容認を許さない映画人九条の会アピール」を発表し、多くの方の賛同を募ってまいりましたが、安倍政権が7月1日に集団的自衛権の行使容認を閣議したため、「アピール」を一部改定しました。
  安倍政権の改憲暴走を止めるために、さらに多くの映画人、映画関係者、映画愛好者の方々のご賛同をお願い致します。
 是非こちらの集団的自衛権の行使容認を許さない 映画人九条の会アピールページで、ご賛同の声をお寄せください。

★10・27映画人九条の会10周年の集いのお知らせ

日米ガイドライン
「改定」が狙うもの
講師/山田 朗(明治大学教授)

 安倍内閣は7月1日、集団的自衛権の行使を容認する閣議決定を行いま した。これは憲法9条を破壊し、日本を「戦争する国」に変える暴挙です。 この閣議決定だけでは海外で戦争をすることは出来ませんが、年末には 「日米防衛協力のための指針(ガイドライン)」の改定が予定されています。
 この「改定」によって日本の自衛隊はアメリカの戦争に深く組み込ま れてしまう危険があります。自衛隊法やPKO法、周辺事 態法などの法律改正前に「戦争する国」の体制づくりを アメリカに約束してしまおうというのですから、その内容を 知ることは重要です。
 映画人九条の会は10周年の集いを開催するにあたって、軍事問題の第一人者である明治大学の山田朗教授に、「日米ガイドライン『改定』が狙うもの」を解明してもらおうと思いました。皆さま、ぜひともご参加ください。

●日時/2014年10月27日(月)18:50〜20:30
●場所/東京・文京シビックセンター4階・シルバーホール
東京都文京区春日1-16-21 電話03-3812-7111 地下鉄丸の内線・南北線「後楽園駅」徒歩1分 都営三田線・大江戸線「春日駅」徒歩1分
●資料代/800円
●主催/映画人九条の会

「映画と憲法〜映画が自由でなかったとき」 ─山田和夫講演録を復刻!─

 特定秘密保護法の強行制定や集団的自衛権の行使容認など、安倍政権のもとで「戦争する国」づくりが急速に進んでいます。「戦争する国」づくりが進めば、やがて言論表現の自由は抑圧され、映画にも様々な規制がかけられるでしょう。
 映画人九条の会は2006年3月8日、映画評論家で映画人九条の会代表委員のお一人でもあった山田和夫さん(故人)を講師にお招きし、「大日本帝国憲法」下の戦前、戦中、映画人はどのような状況におかれていたのか、昭和14年(1939年)に施行され「映画法」のもとで映画や映画人はどのような苦しみを味わわされたのかなど、「映画が自由でなかったとき」のことをじっくりと語ってもらいました。
 多くの映画人、映画関係者、映画ファンの皆さまに、今こそ「映画が自由でなかったとき」のことを知っていただきたいと思い、講演録を復刻しました。こちらのページにて、ぜひお読みください。

九条の会が11月24日(月・休)、日比谷公会堂で大規模な集会とパレード!

 九条の会は、10月の全国統一行動月間を集約する形で11月24日(月・休)に東京・日比谷公会堂(定員約2000名)で大規模な集会と、銀座方面へのパレードを行います。
 集会の名称は、「安倍政権の改憲暴走を許さない 九条の会11.24集会&パレード」。奥平康弘さんと澤地久枝さんのごあいさつ、「非戦を選ぶ演劇人の会」による朗読劇、各地・各分野の九条の会からの月間活動の報告などが予定されています。
 集会は13時〜14時30分(入場無料)、パレード(銀座方面)は15時出発です。
 大勢の方の参加が見込まれますので、早めのご来場が望まれます。会場に入れなかった方は、屋外のオーロラビジョンで集会の模様が見られます。また、九条の会がパレードを行うのは初めてのことですので、パレード警備にも新員を配置しなければなりません。
 映画人九条の会はこの「安倍政権の改憲暴走を許さない 九条の会11.24集会&パレード」に全面的に協力します。皆さまもぜひご参加、ご協力をお願いします。皆さまの力で「九条の会11.24集会&パレード」を必ず成功させましょう!

【お薦め映画紹介】

この映画を見ましたか

坑道の記憶〜炭鉱絵師・山本作兵衛〜

羽 渕 三 良(映画人九条の会運営委員/映画評論家)

 いま放映されているNHKの連続ドラマ『花子とアン』を見ていますか。このドラマに登場する歌人の柳原白蓮と炭鉱経営者の伊藤伝右衛門は実在の人物。舞台と時代は、九州・福岡県の筑豊地方と明治維新後の、日本が急速に近代化していく時期。伝右衛門は富国強兵と労働者の苦役労働とで、巨万の富を得ていきます。
 他方、いま表題の『坑道の記憶〜炭鉱絵師・山本作兵衛〜』という記録映画が、全国各地で大いに期待されて上映されています。
 この映画の主人公の山本作兵衛は、また明治、大正、昭和と筑豊で炭鉱労働者として働いた人物。山本は7歳で炭鉱入り、筑豊地方の18の炭鉱(ヤマ)を転々とする。50年間働いた後、60歳から炭鉱での労働と生活を1000枚以上絵に描いて残しました。この映画は山本とその時代を記録した映画です。彼の描いた絵は、日本で初めてユネスコの「世界記憶遺産」として登録されました。
 熱くて暗くて狭い地底での、男性も女性も上半身裸で石炭を掘る姿。炭鉱での事故の実相。労働者の男女共同の風呂、湯の色は黒い。炭住での日常の生活。子どもたちの遊び。山本は命がけで働く民衆の姿を、記録的にかつリアルに、労働者の温かさと優しい目でもって描いています。
 この貴重な庶民的で世界的な“アート”を映像化したこの映画を、ぜひ見ていただければと思います。

文部科学省特別選定作品(成人向き)。問い合わせ先はRKB(福岡)毎日放送/電話092-852-6666/RKB視聴者広報センター。(東京での上映は終わりました。大阪では9月20日から第七芸術劇場で上映されます。) 

【情報コーナー】

10月10日(金)、九条の会事務局主催学習会 「『集団的自衛権』と日米ガイドライン」
 九条の会事務局は10月10日(金)18時30分より、在日本韓国YMCA(東京都千代田区猿楽町2-5-2)スペースY(地下ホール)で、「『集団的自衛権』と日米ガイドライン」をテーマに学習会を行います。
 講師は浦田一郎さん(明治大学教授・憲法学)と、太田昌克さん(共同通信編集委員)さん。参加費は1000円。要予約です。メールかFaxでお名前と電話・Fax番号を九条の会事務局へご連絡ください。メール mail@9jounokai.jp Fax 03-3221-5076 
10月28日(火)、「加藤周一さんに会いに行こう! 映画上映とトークの夕べ」
 10月28日(火)18時45分より、東京・文京シビックセンター小ホールで「加藤周一さんに会いに行こう! 映画上映とトークの夕べ」が行われます。主催は、シネ・フロント読者の会。
 映画『しかしそれだけではない。加藤周一幽霊と語る』の上映と、加藤周一さんを語るトークショー。出演は小森陽一(九条の会事務局長)さん他。入場料は1000円(当日券1200円/中高生500円)。 問い合わせ先は、シネ・フロント社/ 03-5802-3121 Fax 03-5802-3124

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