映画人九条の会Mail No.71

2017.9.4発行
映画人九条の会事務局

目次

安倍改憲、それは9条の破壊!
──改憲発議を何としても阻止しよう!──

 憲法9条の1項、2項を残して自衛隊を明文化するという改憲案を打ち出し、2020年施行という改憲日程まで示した安倍首相ですが、東京都議選での惨敗と内閣支持率の急落によって、スケジュールありきではない」(8月3日)とトーンダウンしました。
 しかし安倍首相は、今秋の臨時国会での自民党案提示、来年通常国会での改憲発議、2020年施行などの「改憲日程」を撤回してはおらず、改憲発議に必要な3分の2を衆参で確保している現状で何としても改憲を推し進めようとする執念を隠していません。
 自民党憲法改正推進本部は、8月1日の会議で安倍首相が提起した4つ課題の1回目の討議を終えました。その結果、(1)9条1、2項を残しての自衛隊明記なら国民の理解が得られる、(2)緊急事態条項の創設は大規模災害時の国会議員の任期延長などに絞って議論をすすめる、(3)参院選挙区選挙の合区解消については、憲法47条に各都道府県から参議院議員1人を選出する規定を設ける、(4)高等教育の無償化については、財源確保が難しいなどの理由で慎重意見が相次いでいる、という状況です。
 推進本部は早々に2回目の論議に入りますが、自民党高村正彦副総裁は「党内コンセンサスができたといえる状態ではない」と言いつつ、「最大公約数的なものは浮かび上がってきた」と述べています。また、「秋の臨時国会に自民党改憲案をできれば提出したい」とも述べ、「支持率が低いからといってスケジュールを放棄するのも良くない」と、安倍改憲推進に固執しています。
 自民党は「9条1、2項を残しての自衛隊明記なら国民の理解が得られる」と思っているかもしれませんが(勘違いです)、憲法9条に自衛隊を明記すれば、9条は大きく変質してしまいます。集団的自衛権の行使容認と戦争法の強行によって海外で戦争し殺し殺される存在となった自衛隊を9条に書き込めば、9条自体が矛盾をはらみ、死文化して意義を失います。安倍9条改憲は、9条の破壊です。
 安倍首相が「スケジュールありきではない」とトーンダウンしたのは、単にほとぼりを冷ますためです。彼が改憲を諦めることはありません。安倍首相らは来年の通常国会での改憲発議に全力を挙げてくるでしょうが、安倍改憲を阻止するためにはこちらも全力で「安倍改憲を許すな!」の声をあげ、何としても通常国会での改憲発議をさせないことです。
 俳優の仲代達矢さんはテレビ取材で、「9条は日本人の叡智です」と語っていました。その9条を守るために、安倍9条改憲を阻止するために、戦後日本の最大規模の共同闘争を展開しましょう!

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「安倍9条改憲NO!全国市民アクション」立ち上げへ!

 安倍9条改憲が重大な段階に至っていることから、広範で多様な人びとの危機感と願いを結集できる「安倍9条改憲NO!全国市民アクション」(仮称)を立ち上げようと今、呼びかけ人、賛同人が募られています。
「安倍9条改憲NO!全国市民アクション」は、おおむね次のような行動を進める予定です。(1)「安倍9条改憲」に反対する全国署名の展開。(2)全国各地の市民、諸団体による大小の集会や街頭キャンペーン。(3)さまざまなツールを利用した宣伝やグッズの制作、配布。(4)新聞への意見広告。(5)募金──など。
 なお「安倍9条改憲NO!全国市民アクション」は、9月8日(金)18:30より、なかのZERO大ホールにて発足集会を行います。

★9・25映画人九条の会学習集会
安倍改憲と‟北の脅威” 講師/山田 朗(明治大学教授)

yamada_akira.png 安倍首相は5月3日、「憲法9条1項、2項を残して、3項に自衛隊を明記する」などという安倍改憲案を提案しました。
 いくら9条の1項、2項を残してもそこに自衛隊を書き込めば、憲法9条自体が矛盾をはらみ、死文化してしまいます。
 また、安倍改憲の推進と歩調を合わせるかのように北朝鮮はミサイルを次々に打ち上げ、安倍政権は“北の脅威”を煽りたてています。これはどういうことでしょうか。
 映画人九条の会は安倍改憲の危険性、ミサイルを撃ち上げ続ける北朝鮮の狙いと“北の脅威”の実相などを、明治大学の山田朗教授に語ってもらうことにしました。
 皆さま、ぜひご参加ください。
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  ●日時/2017年9月25日(月)18:50〜20:30
  ●場所/東京しごとセンター5階セミナー室
      東京都千代田区飯田橋3丁目10番3号
      JR飯田橋駅東口より徒歩7分、
                地下鉄大江戸線・有楽町線・南北線「A2出口」より徒歩7分
  ●資料代/700円
  *定員51名のため、早めにおいでください。
  ●主催/映画人九条の会

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画期的な核兵器禁止条約と「核の傘」理論

 7月7日に国連加盟のおよそ3分の2、122ヶ国の賛成で核兵器禁止条約が締結されました。日本をはじめ米国、仏国など核保有国や同盟国は不参加という態度ですが、これも想定した条約内容となっています。
 条約では「核の傘」を真っ向から否定し、むしろ核保有こそが最大の危機を誘発するものと断じています。核兵器保有の危険性は決して情緒的なことではなく、過去の事実や科学的根拠に基づいています。自衛のための戦力不保持は現実を見ない理想論だという方もいますが、「核の傘」によって守られるという考え方こそ、事実を無視した空想の理論と言えます。
 人為的ミス等による核兵器の偶発事故は幾度も起き、その都度人命が危険に晒されたこと、配備された核兵器の一部が作動しただけでも人類が死滅するだけの破壊力が既に存在すること。これを理解しないまま、「核の傘」を手放しで支持することこそ、人権無視の暴挙だと本条約は語りかけます。
 条約は国家の在り方を指摘しつつ、個々の人権に重きを置いています。日本国憲法とも共通する平和への強烈な思いが伝わるはずです。
 なお、閲覧可能な翻訳文は残念ながら外務省ではなく、共同通信による翻訳だと言います。日本政府が本条約会議から早々に撤退したことはご承知の通りですが、翻訳すら拒否する姿勢にも呆れ果ててしまいます。

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【気になる映画紹介】

『ヒトラーへの285枚の葉書』
 アメリカ占領下の沖縄で弾圧を恐れず、不屈の精神で米軍の圧政と闘った男、瀬長亀次郎のドキュメンタリー映画です。声を上げ続ける沖縄の人々の原点がここにあります。TBSニュースキャスター佐古忠彦さんの初監督作品。音楽は坂本龍一さん、語りは大杉漣さん。
 8月23日より渋谷・ユーロスペースで公開中。順次全国公開へ。

『笑う故郷』
 アルゼンチン出身のノーベル賞作家ダニエルは、40年ぶりに故郷の田舎町サラスに帰郷します。故郷サラスは彼に「名誉市民」の称号を与え、暖かく迎え入れます。でも、ふと気づくと、彼を取り巻く事態は思いもよらぬ方向へと方向転換しはじめ、田舎町サラスと国際人ダニエルは悲喜劇の渦に呑み込まれることに……。
 ヴェネチア国際映画祭主演男優賞、アルゼンチンアカデミー賞最優秀脚本賞などを受賞した人間模様の傑作映画、「これこそ大人の映画!」だそうです。観てみたくなりますね。
 9月16日から東京・岩波ホールでロードショー。

『エルネスト』
 50年前、キューバ革命の英雄チェ・ゲバラに彼のファーストネームである〈エルネスト〉を戦士名として名付けられた一人の日系人がいました。フレディ前村(オダギリジョー)です。医師を志す彼はキューバでチェ・ゲバラと出会い、ゲバラに共感し、やがて母国ボリビアの軍事政権に立ち向かっていきます……。
 脚本・監督は阪本順治。
 10月6日から全国ロードショー公開。

11.20映画人九条の会13周年の集い
『ザ・思いやりパート2〜希望と行動編』上映会
ゲスト/リラン・バクレー監督

 映画人九条の会は11月20日(月)夜、映画人九条の会13周年の集いとして、ドキュメンタリー映画『ザ・思いやりパート2〜希望と行動編』上映会を行います。
 『ザ・思いやり』第一弾では、「思いやり予算」の不条理さと驚愕の実態、矛盾をさまざまな視点から問いかけ、「なぜ日本人はここまで米軍を思いやるのか?」という疑問を投げかけました。
 パート2では、在日米軍が日本や世界で何をやっているのか、本当に日本を守るために存在しているのか、米軍が日本の基地を拠点にさまざまな国でどれほど多くの市民、子どもや女性に被害を与えてきたのか、などをユーモアを交えながら鋭く切り込んでいます。
 上映会には、ゲストとしてリラン・バクレー監督も参加します。ぜひご来場ください。

  ●日時/11月20日(月)18:50〜20:30 (上映開始19:00)
  ●場所/東京・文京区民センター・3A会議室
   東京都文京区本郷4-15-14 電話03-3814-6731
   地下鉄丸の内線・南北線「後楽園駅」徒歩5分/都営三田線・大江戸線「春日駅」徒歩0分
  ●参加費/1000円(前売参加券あります)


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【今後の主な行動予定】

●9月7日(木)、憲法施行70年 安倍改憲NO!9・7学習講演会
        ■日時:9月7日(木)18:30〜20:30
        ■場所:日本教育会館8階・第1会議室
        ■講師:渡辺治「安倍改憲阻止の課題と展望について」  主催:憲法共同センター


●9月8日(金)、「安倍9条改憲NO!全国市民アクション」9・8キック・オフ集会
        ■日時:9月8日(金)18:30〜20:30
        ■場所:なかのZERO大ホール(JR中野駅南口徒歩5分)
        ■入場無料(カンパのお願いあり)
        ■内容:発起人挨拶、松元ヒロさんライブ、ミニ講演、経過報告、行動提起ほか。


●9月18日(月)、ともに生きる未来を!さようなら原発 さようなら戦争全国集会
        ■開会12:30〜さよなら原発ライブ(野外ステージ)
                13:30〜発言   場所:代々木公園B地区
                15:00デモ出発(渋谷コース/原宿コース)
        ■主催:「さようなら原発」一千万署名市民の会


●9月19日(火)、戦争法強行採決から2年、戦争法の廃止と
    安倍内閣退陣を求める9・19国会正門前行動
        ■日時:9月19日(火)18:30〜19:30
        ■場所:国会議事堂正門前(映画人九条の会は憲政記念館前に旗)
        ■主催:戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会


●9月28日(木)、私たちは戦争を許さない―安保法制の憲法違反を訴える市民大集会
        ■日時:9月28日(木)18:30〜
        ■場所:日本教育会館
        ■資料代:500円
        ■主催:安保法制違憲訴訟の会


安倍9条改憲をとめよう!全国交流・討論集会

 九条の会事務局は10月8日(日)、「安倍9条改憲をとめよう!全国交流・討論集会」を開催します。映画人九条の会としても参加する予定です。
    ◇日時 10月8日(日) 13時30分〜

    ◇会場 東京・文京区民センター


★九条の会ブックレット
「安倍9条改憲は戦争への道」発売(500円)

 「9条3項加憲」論のねらいと危険性(浦田一郎・一橋大学名誉教授)、改憲運動の特徴と改憲を阻止する運動の方向性(渡辺治・同)など。

 購入希望者は「九条の会」事務局へ。Fax 03-3221-5076 メール mail@9jounokai.jp

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