映画人九条の会Mail No.79

2019.4.24発行
映画人九条の会事務局

目次

安倍改憲発議を阻止するために、5.3憲法集会に集まろう!
平和といのちと人権を!
5.3憲法集会2019
─許すな!安倍改憲発議─

5月3日(金・憲法記念日)11:00スタート
有明・東京臨海防災公園

 今年も5月3日(金)、東京・有明防災公園で「5.3憲法集会」が行われます。
 3000万人署名を軸にした改憲反対運動と「市民と野党の共闘」の前進が、安倍改憲スケジュールを大きく遅らせています。しかし安倍首相は改憲を諦めてはいません。異常な執念で様々な改憲策動を続け、なんとしても憲法審査会を開催して安倍改憲案を国会に提示しようと躍起になっています。
 このように憲法をめぐる激しいせめぎあいが続いている中で行われる今年の憲法集会は、決定的に重要です。これまでの参加者数を大きく上回る、10万人規模の大集会が望まれます。
 首都圏にお住いの映画人九条の会の皆さま、平和をつなぎ、未来をつむぐ「平和といのちと人権を!5.3憲法集会2019──許すな!安倍改憲発議」にこぞって参加しましょう!

【11:00】出展ブース、ミニステージ開始
【12:00】オープニングコンサート 獄友イノセンスバンド(小室等さん・こむろゆいさん)
                 子供団(うじきつよしさん・内田勘太郎さん)
【13:00】メイン集会開始 司会/神田香織さん(講談師)
     メインスピーカー/湯川れい子さん(音楽評論・作詞家)
              元山仁士郎さん(「辺野古」県民投票の会)
              高山佳奈子さん(京都大教授)
              永田浩三さん(ジャーナリスト・武蔵大教授)
     政党挨拶
     リレートーク(沖縄/福島/女性/朝鮮高校生)
     市民連合からの訴え 広渡清吾さん(東大名誉教授)
     合唱「平和の鐘・翼をください」
【15:00】パレード出発
     豊洲コース、台場コース(映画人九条の会は豊洲コースに参加する予定です)
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★総がかり行動実行委員会と、九条の会も参加している全国市民アクションは4月3日、以下の声明を発表しましたので紹介します。

声明・憲法審査会の再始動に反対する

戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会
        安倍9条改憲NO!全国市民アクション      

 いま198通常国会の予算審議が終わった隙に、与党などから衆院憲法審査会の再始動の動きが強まっている。
 衆院憲法審査会の森英介会長は3月28日に続いて、この3日にも野党の意見もきかないまま職権で幹事懇談会の開催を決めたが、与野党の合意に至らず開かれなかった。
 憲法審査会がなぜ開催できないのか。与党などは「職場放棄」などと野党の対応を攻撃するが、それはまったくお門違いだ。
 第1に、ほとんどの世論調査をみても、政治に求める政策の優先順位では「憲法改正」は最下位だ。いま憲法改正を急いでいるのは安倍首相らだけだ。
憲法審査会が容易に開催されない第2の理由は、内閣総理大臣たる安倍首相がこの間、繰り返し憲法99条に違反するおそれのある改憲を求める発言を重ね、これを巡って「憲法論議のための静かな環境」が醸成されていないためだ。
安倍首相は今年になってからでも、1月5日の下関市の後援会での挨拶、通常国会での施政方針演説、2月10日の自民党大会での挨拶、通常国会での予算委員会での答弁、3月17日の防衛大学校卒業式での挨拶などで、改憲や改憲を示唆する演説を繰り返している。これは断じて容認できない。
とりわけ自民党大会で9条改憲の口実に「自衛隊募集に対して都道府県の

6割以上が協力を拒否している」ことを挙げたことは重大だ。これは全く事実と異なっている。首相はのちに「都道府県」を「市町村」と変更したが、問題は同じであり、このフェイクについての首相の謝罪がない。岩屋防衛相すらこの首相発言の誤りを訂正せざるを得ない始末だ。
こうした憲法99条違反にかかわる一連の首相の言動の掘り下げた検討と謝罪なしに、憲法審査会が開催できないのは当然だ。
憲法審査会は2000年の憲法調査会発足以来、「最高法規である憲法に関する論議においては、政局にとらわれることなく、憲法論議は国民代表である国会議員が主体性を持って行うべきとの共通認識に基づき、熟議による合意形成」を重視するという建前で運営されてきた。

党利党略で、この原則を破り、官邸の意思を忖度して、憲法審査会の正常な運営を壊してきた責任はあげて与党、自民党にある。正常化を望むなら、まず自民党がその環境をつくり出すべきだ。このまま憲法審査会を開くことができないのは当然だ。
まして昨年の臨時国会期間に、野党の同意がないままに森会長が職権で審査会を開催し、のちにこの乱暴な運営を謝罪したばかりだ。いままた、与党などがこの誤りを繰り返そうとしている事態をみて、その性懲りもない国会運営に唖然とせざるをえない。
憲法審査会は再始動させるべきではない。
安倍首相らは憲法違反の改憲策動をやめよ
与党改憲派は民意を尊重せよ。

2019年4月3日

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緊急の要請──「憲法審査会を開催するな」のFAXを!

 自民党は憲法審査会を再始動させ、自民党改憲案の提示しようと躍起になっています。自民党の萩生田光一幹事長代行は、4月18日のインターネット番組で「譲位が終って新しい時代になったら、ワイルドな憲法審査を自民党は進めていかないといけない」とまで発言しました。ワイルドとは、野生的とか荒々しいという意味。5月以降は与野党の合意なく、一方的に憲法審査会を開催しようとの意図です。
 映画人九条の会の皆さま、「憲法審査会を開催するな」の抗議要請FAXを自民党などに集中しましょう。


【抗議・要請先FAX番号】
自民党憲法改正推進本部長 下村博文 03−3597−2772
憲法審査会与党筆頭幹事  新藤義孝 03−3508−3313
衆議院憲法審査会会長   森 英介 03−3592−9036
公明党憲法調査会長    北側一雄 03−3508−3533


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ポスト安倍の受け皿たる盤石の野党共闘を

 安倍政権は、7月の参院選でも改憲勢力の3分の2を維持するために必死です。そのために改元を利用し、天皇を利用し、G20を利用し、消費税増税の延期まで匂わす始末です。衆参W選挙も現実味を帯びてきました。市民と野党がこの安倍政権に勝つのは、並大抵のことではありません。ポスト安倍の受け皿として、市民と野党の一致した政策と盤石の共闘態勢を作り、国民が安心して一票を投じられる状況を作り上げなければ、とても無理です。
 野党共闘が中途半端なままで推移し、万が一参院選で自公、維新などの改憲勢力がまた3分2の議席を占めてしまったら、間違いなく彼らは改憲発議を実行してくるでしょう。しかし、市民と野党の共闘勢力が勝って改憲勢力を3分の2以下に落とし込めば安倍改憲は遠のき、安倍政権は崩壊に向かいます。
 市民と野党の盤石の共闘態勢が作れるかどうかは、まさに決定的です。「野党は共闘!」「野党共闘を急げ!」の市民の声をさらに強めましょう。映画人九条の会もそのために奮闘する決意です。

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沖縄の民意を受け止め、新基地建設の即刻中止を!

 玉城デニー氏の知事選出馬にともなう議員辞職・欠員のため4月21日(日)に行われた衆議院沖縄3区補選において、「オール沖縄」の屋良朝博氏が、公明党、日本維新の会が推薦する自民党の島尻安伊子氏を破り、初当選を果たしました。
今回の選挙で屋良氏は「辺野古新規津建設の断念と、普天間基地の早期閉鎖・返還を日米両政府に強く迫る」と繰り返し訴えてきました。屋良氏の勝利は、昨年9月の県知事選、今年2月の県民投票に続いて、改めて「新基地ノー」の民意を強く示したものです。
 自民党は昨年の名護市長選や県知事選では、辺野古新基地の是非には一切触れず、ひたすら「争点隠し」の戦術を取り続けてきましたが、今回の補選で自民党島尻氏は「辺野古新基地推進」を公然と掲げました。沖縄北方大臣まで経験し、安倍政権が全面支援した島尻氏が、「米軍普天間飛行場の辺野古移設容認」「新基地建設推進」の姿勢を明確に示して敗北したことは、もはや言い逃れできない結果であり、決定的な審判が下されたといえます。
 これほど明確な辺野古新基地建設ノーの民意が示されたにも関わらず、菅義偉官房長官は記者会見で、「普天間基地辺野古移設は唯一の解決策」「丁寧に説明しながら辺野古埋め立てを進めさせて頂きたい」と表明しました。民主主義を踏みにじるこのような態度は、断じて許されるものではありません。
 一方、玉城デニー知事は4月22日(月)、石井啓一国土交通相が県の埋め立て承認撤回を取り消す裁定を下したことに対し、国地方係争処理委員会に審査申出書を発送しました。デニー知事は「沖縄防衛局の申し立て適格を欠く不適法な審査請求に、国交相は、裁決を行うことができないにも関わらず採決がなされた。本件は違法な国の関与だ」と訴えています。
 辺野古の海では、軟弱地盤改良工事に77,000本もの杭打ちが必要とされ、技術的に実現不可能と見られているにも関わらず、先月25日から新たな区域への土砂投入が始まっています。
 安倍政権は今回の選挙結果に示された民意を真剣に受け止め、新基地建設を即刻中止し、普天間基地の無条件撤去をも問える対米交渉こそ行うべきです。

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■映画界の二つの出来事を考える

 一つ目の出来事は、今年になって、映画に出演した俳優の不祥事が相次いだことです。彼らの出演映画について、『善悪の屑』は公開中止、『台風家族』は公開延期、『居眠り磐音』は部分的撮り直しで公開、『麻雀放浪記2020』はそのまま公開と、映画各社の対応は分かれました。
 犯罪の内容や被害者の有無などによって対応は変わるのでしょうが、映画は娯楽商品というだけでなく総合芸術であり、文化です。俳優一人のものでもありません。製作委員会方式という作品が多く、出資企業の思惑や企業イメージの保持などの問題があって対応は難しいと思いますが、一律の公開自粛や、過去作まで封印するのではなく、芸術作品であるという側面を踏まえた冷静な対応が望まれます。
 二つ目の出来事は、TOHOシネマズが月6月1日から映画館の入場料金を1,900円に値上げする、と発表したことです。シニア料金も1,200円になります。他の興行各社もこれに追随すると言われており、さらに10月に消費税が増税されれば、2000円になるのではないかとも言われています。
 それでなくても日本の映画料金は世界一高いと言われているのに、それがさらに上がるようでは、映画は高額の娯楽・文化になってしまい、庶民から遠のきます。大宣伝をする大作映画には観客は集まるでしょうが、中堅クラスの映画は厳しくなります。これは映画産業にとってマイナスになるのではないでしょうが。再考が求められます。

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【お薦め映画紹介】

『誰がために憲法はある 』
平沢清一(映画人九条の会運営委員/映画ライター)

 「こんにちは、憲法くんです。姓は日本国、名は憲法」──お笑い芸人・松元ヒロさんが創作し、自らが擬人化人した日本国憲法になりきる一人語りの「憲法くん」。憲法誕生の背景やその理念と役割、改憲の危機など、鋭い風刺をこめてユーモラスに舞台から語りかけ、日本国憲法の大切さを20年以上にわたり、広範な人々に楽しませながら、わかりやすく伝えてきました。
 この「憲法くん」を女優の渡辺美佐子さんが一人芝居で演じて、憲法の重要性を問う12分の短編映画『憲法くん』が2018年に製作されました。これに渡辺さんらが毎夏に全国を回って33年間続けている原爆朗読劇『夏の雲は忘れない』の広島公演の記録が加えられて完成したのが、『誰がために憲法はある』(71分)です。福島原発事故で甚大な被害を受けた農家の苦悩を記録したドキュメンタリー『大地を受け継ぐ』の井上淳一監督作品。
 渡辺美佐子さんは、初恋の少年が疎開先の広島で原爆によって亡くなっていたことを、戦後35年目に思いがけず知ったことをきっかけに、「戦争を知る世代として、再び戦争の悲劇が起こらないように」という思いから、原爆朗読劇の中心メンバーとなります。渡辺さんとともに朗読劇を取り組む、高田敏江さん、寺田路恵さん、大原ますみさん、岩本多代さん、日色ともゑさん、長内美那子さんら女優たちの公演にかける意気込み、運営する喜びや苦労、戦争への危機感なども語られています。
 しかし、この全国公演も、演者と主催者の高齢化や活動の負担増などから、2019年を最後に終了すると決まりました。改憲と戦争への危惧が強まる現在、女優たちに無念さがにじみますが、上演を鑑賞した多くの学生たちが寄せる、戦争の悲惨さと平和の大切さを自分たちも伝えていかなければならないとの感想に、若い世代へ継承する希望を見出します。
 憲法前文すべてを、魂を込めて暗唱する渡辺美佐子さん。戦争を二度と繰り返すまいという真剣な願いが心を打ちます。「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないように」と、国民が国を縛る≠烽フであるはずの憲法が、国が国民を縛る≠烽フに変えて、再び戦争のできる国へ戻されようとしている危機に、日本国憲法の原点と理念を改めて見つめ直し、憲法は誰のためにあるのかの、論議と理解を深めていけるドキュメンタリーです。
(4月27日から東京・ポレポレ東中野ほか全国で順次公開)


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【今後の主な行動予定】

●5月11日(土)、第33回憲法フェスティバル
        ■時間&場所:13:00〜16:15日暮里サニーホール
        ■参加券:前売1,500円、当日2,000円
        ■出演:松元ヒロさん、講演・清水雅彦教授「憲法改正の狙い」
        ■主催:憲法フェスティバル会実行委員会(Tel/Fax 03-5211-2120)


●5月19日(日)、安倍9条改憲NO!5・19国会議員会館前行動
        ■時間&場所:14:00〜衆議院第2議員会館前を中心
        ■主催:安倍9条改憲NO!全国市民アクション実行委員会
         戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会


●5月25日(土)、「示そう辺野古NO!の民意を」全国総行動5.25国会包囲行動
        ■時間&場所:14:00〜15:30 国会周辺
        ■主催:基地の県内移設に反対する県民会議、「止めよう!辺野古埋立て」国会包囲行動実行委員会
         戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会


●6月7日(金)、8日(土)朝鮮半島と日本に非核・平和の確立を! 市民連帯行動
        ■6月7日(金)は、18:30〜日比谷野外音楽堂で集会&銀座デモ
         6月8日(土)は、午後、星陵会館において国際シンポジウム
        ■主催:「朝鮮半島と日本に非核・平和の確立を!」市民連帯行動実行委員会


●6月12日(水)、九条の会東京連絡会6・12大集会
        ■時間&場所:18:30〜中野ゼロ大ホール
        ■内容:パフォーマンス・松元ヒロさん、講演・渡辺治さん「9条改憲を阻んで安倍政治に終止符を!」
         音楽(唄・三線・ピアノ)・Milk〔弥勒〕
        ■参加費:999円
        ■主催:九条の会東京連絡会


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