映画人九条の会Mail No.76

2018.9.25発行
映画人九条の会事務局

目次

自民党総裁選、安倍首相が3選
臨時国会に改憲案提出へ!

 9月20日に行われた自民党の総裁選は、低調な論戦のまま安倍首相が3選しました。安倍首相は選挙中から今秋の臨時国会に改憲案を提出することを公言し、9条改憲に異常なほどの執念を見せていました。圧勝にはなりませんでしたが、それでも勝った安倍首相は9条改憲について早速「党内の力強い支持を得た」と述べ、臨時国会に改憲案を提出しようとしています。憲法尊重擁護義務がある首相が9条改憲に執着する姿には、おぞましいものがあります。
 しかし自民党は、今年3月の党大会では9条改憲案を正式に決定できませんでした。そして通常国会に改憲案を提出できなかったことが、安倍首相の改憲戦略を大きく狂わせています。
 安倍首相は、今秋の臨時国会に改憲案を提出し、来年の通常国会で発議して、何としても来年7月の参院選前に改憲の国民投票を行う構えです。来年の参院選で改憲勢力が3分の2を失えば、改憲は遠のきますから、安倍9条改憲にとっては今がラストチャンスです。だからなりふり構わず突き進もうとしているのです。
 しかし安倍首相が描く改憲日程は、あまりにタイトです。来年の春にはいっせい地方選挙があり、4月、5月には天皇の退位と即位があります。そして7月にはもう参院選です。この日程の中に国民の一大議論が必要な改憲の国民投票を入れるのは、無茶苦茶です。憲法を変えるということは、日本の政治の在り様と進路を変えることであり、国にとっても、国民にとっても一大事です。それを議論の時間をろくにとらずに進めようとすることは、あまりに拙速です。
 各種の世論調査を見れば、国民が改憲を望んでいないことは明らかです。にもかかわらず9条改憲をごり押しするのは、民意無視の暴走政治以外の何ものでもありません。臨時国会を改憲論議の場にさせず、次期通常国会で改憲発議をさせないために、3000万署名をさらに進め、安倍9条改憲に反対する国民の声をいっそう大きくしなければなりません。

ダイレクトに「改憲原案」を国会提出か
 改憲案を国会に提出するには、二つの方法があると言われています。一つは衆参両院の憲法審査会に改憲の条文案を提示して議論する方法で、もう一つは憲法審査会をすっ飛ばして「改憲原案」そのものをダイレクトに国会に提出する方法です。これは、衆院で100人以上、参院で50名以上の賛成があればできることになっています。
 安倍首相は、ダイレクトに改憲原案を国会に提出する強硬路線を考えている節があると言われています。そうなるとすれば、安倍9条改憲の暴走ここに極まれり、です。

民放連、国民投票に関するCM量の自主規制を拒否!
 安倍首相が自民党総裁に3選した同じ9月20日、驚いたことに民放連は憲法改正の国民投票に関するテレビ・ラジオのCM量について、自主規制することを拒否しました。
 もし改憲の国民投票が発議されれば、金に飽かせて安倍改憲を持ちあげるCMが溢れかえるでしょう。そして「民意」は捻じ曲げられるのです。 臨時国会に改憲案を提出させず、来年の通常国会で改憲発議をさせず、国民投票をやらせないことが絶対に必要です。そして、来年の参院選では改憲派を3分の2以下に落とし込んで、安倍内閣を退陣に追い込みましょう!

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九条の会がアピール
「9条改憲NO!の巨大な世論の輪を」を発表!

 九条の会は9月14日、参議院議員会館で記者会見し、以下のアピール「9条改憲NO!の巨大な世論の輪を」を発表しました。
 会見で、呼びかけ人の澤地久枝さんは「時勢はどんどん悪くなっている。戦後の日本政治の中で重大局面に立っている」と訴え、世話人の浅倉むつ子さん(早稲田大教授)は「人権のことをわかっていない人が政権の中枢にいる。こんな政権に改憲をさせてはいけない」と主張。清水雅彦さん(日体大教授)は「3000万署名は単に数を集めるというだけでなく、対話を通じて世論を作るという一大運動である。安倍首相の批判に耳を傾けない姿勢は無力感を抱かせるためのものだから、あきらめずに声を上げ続けることが重要だ」と訴えました。

九条の会アピール
9条改憲NO!の巨大な世論の輪を
──自民党総裁選・臨時国会を前にして──

 秋の臨時国会を前に、安倍改憲の策動は新たな局面を迎えています。9月20日の総裁選に立候補を表明した安倍晋三首相は、地元下関で8月12日、「自民党として次の国会で提出できるよう(改憲案の)取りまとめを加速する」と述べました。続けて、麻生派が総裁選に向けての政策提言で打ち出した「来年の参議院選挙までの憲法改正国民投票実施」という方針に「基本的に考え方は全く同じ」と述べて、改憲強行に改めて異常な決意を表明しています。対抗馬の石破茂元幹事長も、9条2項削除による改憲を主張し、緊急事態条項導入などの改憲に意欲を示しています。
 9条2項を維持したまま「自衛隊を憲法に明記する」自民党の9条改憲案が、現在の9条を根本から破壊して、日本をアメリカと一緒に海外で「戦争する国」に変えてしまうことを、すでに私たちは繰り返しアピールしてきました。九条の会も参加して昨年9月からスタートした「安倍9条改憲NO!全国市民アクション」による3000万署名運動は、5月3日時点で1350万筆に達し、その後も3000万を目指して草の根に広がっています。
 こうした広範な改憲反対の世論を前にして、自民党は、今年の党大会では9条改憲案を正式に決定できず、通常国会の憲法審査会で改憲案について議論することすらできませんでした。「臨時国会で改憲論議に持ち込み、参院選前に国民投票」という安倍首相らの言説は、こうした世論に対するあからさまな挑戦です。
 今、6月の米朝首脳会談等を通じて、アジアの平和実現に向けて大きく前進するチャンスがおとずれています。私たちが、真に平和を望むのであれば、憲法9条の立場を堅持して、この動きに積極的に参画していくことが求められています。それは、沖縄の辺野古新基地、イージスアショア、オスプレイ配備など、日本をアジアにおける戦争の拠点にするたくらみに対して断固として反対することと深く結びついています。また、核兵器禁止条約の署名とその発効に背を向ける政府の立場を転換させることも、アジアの平和の実現に重要な一歩となるでしょう。
 自民党が新たな総裁の下で臨時国会を改憲策動の新たな盛り上げの場にしようとしている今こそ、臨時国会を改憲論議の場に決してさせない、次期通常国会で改憲発議を絶対に許さない、そして来年の参議院選挙では改憲派の3分の2の議席獲得を許さず安倍内閣を退陣に追い込むという意思を固めましょう。それが改憲を阻む最大の保障です。そのために、3000万署名運動の達成を目指して新たな決意で取り組みましょう。

2018年9月14日 九条の会

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10.29映画人九条の会上映会のご案内
松元ヒロが旅するトランプのアメリカ

それでも夢はある
HOPE

コメディアン・松元ヒロ×リラン・バクレー監督
映画「ザ・思いやり」のリラン・バクレー監督が、
テレビに出られない芸人・松元ヒロを道づれに、希望と勇気を探して
あのトランプ政権のアメリカを旅するドキュメンタリー映画。
自由とは? 平和とは? 人権とは? それでも夢はあるのか? あきらめない人々と出合う旅!

トランプ松元ヒロ リラン・バクレー監督の映画『ザ・思いやり』『ザ・思いやり2』は大好評を博しましたが、映画人九条の会は10月29日(月)夜、リラン・バクレー監督の最新作『それでも夢はある HOPE〜松元ヒロが旅するトランプのアメリカ』(90分)の上映会を行います。
 この映画は、前号の「お薦め映画紹介」欄で『トランプのアメリカ〜希望と勇気を探す旅』として紹介した映画を改題したものです。
 上映会には、ゲストとしてリラン・バクレー監督も参加する予定です。

皆さま、ぜひご来場ください。

●日時/10月29日(月)18:50〜20:40
(上映開始19:00)
●場所/文京区民センター・3A会議室
東京都文京区本郷4-15-14
地下鉄丸の内線・南北線「後楽園駅」徒歩5分/都営三田線・大江戸線「春日駅」徒歩0分
●参加費/1000円(前売参加券あります)
●主催/映画人九条の会

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故・翁長知事の遺志を継ぐ玉城デニー候補の勝利で、辺野古新基地建設ストップと安倍9条改憲の阻止を!

 沖縄では今、故翁長知事の急逝に伴い、沖縄県知事選挙が闘われています。9月30日(日)が投開票日ですが、大激戦になっています。
 「辺野古新基地建設反対、オスプレイ配備撤回、普天間基地の閉鎖・撤去を掲げた建白書に基づき、辺野古に新基地を造らせないことを県政の柱に、県の有するあらゆる手法を用いて取り組む」と語った故・翁長知事の遺志を継ぐ「オール沖縄」推薦の玉城デニー候補が勝利すれば、辺野古新基地建設はストップできます。またこの勝利は、9条改憲に執念を燃やす安倍首相の出鼻をくじくことになり、安倍9条改憲阻止の重要な一歩となるでしょう。
 しかし、自公維推薦の官邸丸抱え候補も、辺野古新基地問題をまったく語らない「争点隠し」作戦と、沖縄への「経済援助」というニンジンを振りかざして得票を伸ばそうと必死です。
 沖縄県知事選は、安倍暴走政権との闘いの正念場でもあります。もう投票日まであまり日はありませんが、もし沖縄に知人がいらっしゃればぜひ電話をして、玉城デニー候補への支持を広げてください。よろしくお願いいたします!

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【今後の主な行動予定】

●10月19日(金)、安倍9条改憲NO!10・19国会議員会館前行動
        ■時間&場所:18:30〜衆議院第2議員会館前を中心
        ■主催:安倍9条改憲NO!全国市民アクション実行委員会
    戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会


●10月27日(土)、学者の会シンポジウム
        アカデミズムとジャーナリズムは何ができるのか──沖縄・女性・労働・市場の変化
        ■時間&場所:18:00〜20:30 早稲田大学大隈記念講堂 大講堂
        ■主催:安全保障関連法に反対する学者の会
        ■参加費無料・予約不要


●10月29日(月)、映画『それでも夢はある HOPE』上映会
        ■時間&場所:18:50〜20:40 文京区民センター・3A会議室
        ■参加費:1000円
        ■主催:映画人九条の会


●止めよう!改憲発議−この憲法で未来をつくる11・3国会前大行動
        ■日時/11月3日(土)14:00〜15:30(13:30〜オープニング)
        ■会場/国会正門前を中心に
        ■主催/戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会

ウソだらけの安倍政治を変えよう!辺野古新基地建設を止めよう!

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映画人九条の会事務局
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