★3・28映画人九条の会学習集会にご参加を
欠陥だらけの国民投票法!
講師 山口真美 弁護士
(前自由法曹団本部事務局長、常任幹事、改憲阻止対策本部事務局長)
安倍首相と自民党は、「憲法9条1項、2項を残して、自衛隊を明記する」という改憲案を今国会に上程し、発議しようとしています。 改憲が発議されれば国民投票が行われることになりますが、実は国民投票法は問題点だらけで、改憲派に圧倒的に有利な仕組みになっています。テレビCMは投票日の2週間前までやり放題です。「過半数」も「有効投票総数の過半数」として一番狭めた基準を採っており、最低投票総数の規定すらありません。いくつもの改憲項目を一括して投票することも可能です。
映画人九条の会は、国民投票法案が提出されたときからその問題点を追及してきた山口真美(やまぐちなおみ)弁護士をお招きして、多々ある国民投票法の問題点をただす学習集会を計画しました。
皆さま、ぜひご参加ください。
●日時/2018年3月28日(水)18:50〜20:30
●場所/文京シビックセンター・5階C会議室
東京都文京区春日1-16-21
電話03-3812-7111
地下鉄丸の内線・南北線「後楽園駅」徒歩1分/都営三田線・大江戸線「春日駅」徒歩1分
●資料代/700円
●主催/映画人九条の会
自民党改憲案の欺瞞!
自民党の憲法改正推進本部は今、今国会に上程するために改憲案づくりを加速させていますが、まだまとまるには至っていません。しかし、おおよその内容が見えてきました。それが次の「改憲四項目」です。
自民党改憲案の第一項目は、9条改憲です。これは安倍首相が提起した「9条1項、2項を残して、自衛隊を書き込む」という方向でまとめようとしています。安倍首相は「憲法に自衛隊を書き込んでも何も変わらない」と繰り返し弁明していますが、これは真っ赤なウソです。いくら9条の1項、2項を残しても、そこに自衛隊を明記すれば憲法9条自体が矛盾をはらみ、“あとから作った法律が優先する”という法の原則によって戦力不保持を謳った2項は死文化します。
そして、「集団的自衛権の行使」に対する制約は消滅します。
自民党改憲案の第二は、緊急事態条項の新設です。大災害などの緊急事態に対処するためのもの、と言っていますが、緊急事態条項の本質は戒厳令であり、9条改憲に連動した基本的人権や私権の制限です。
改憲案の第三は、参院選の合区解消に向けて憲法47条を改憲し、「参院選は改選ごとに都道府県から少なくとも1人を選出する」と規定しようとしていることです。しかしこれは、「法の下の平等」「国会議員は全国民の代表者」という原則に反する大改悪です。
改憲案の第四は、「教育の重要性」を憲法上明らかにするため、憲法26条3項を新設するというものですが、教育の目的について「国の未来を切り拓く上で欠くことのできないものである」としています。これでは「国民の教育権」の拡充ではなく、「国家の教育権」の拡充になってしまいます。
自民党改憲案の本丸は9条改憲ですが、それを含めて「改憲4項目」として改憲を進めようとしているのは、9条改憲だけを丸裸で国民投票にかけるのは危険だ、という思惑からでしょう。「緊急事態への対処」「合区解消」「教育の充実」という耳ざわりの良い項目で9条改憲を包み、一部野党や国民の支持を得ようとしているのです。9条改憲を何としても実現しようとする、党略そのものです。
一括投票も可能?
自民党が「4項目」でまとめて改憲しようとしているのは、それだけが理由ではありません。国民投票法第47条は「投票は、国民投票に係る憲法改正案ごとに、一人一票に限る」としていますが、総務省ホームページには「憲法改正案は、内容において関連する事項ごとに提案され、それぞれの改正案ごとに一人一票を投じることとなります」と書かれています。
いくつかの改憲事項があっても、それらを「関連項目」としてひとまとめにしてしまえば、一括投票も可能になってしまうおそれがあります。
3月25日の自民党大会で改憲案を決定するようですが、自民党の「改憲4項目」は欺瞞というしかありません。
北朝鮮への先制攻撃を煽るトランプ大統領!
──戦争するな、の声を今こそ!
「南北融和」が強調された平昌オリンピックが閉幕しましたが、平昌オリンピックが終了した今、北朝鮮への先制攻撃の可能性が最高に高まっていると言われています。平昌オリンピック終了後に行われようとしている過去最大規模の米韓軍事演習も、朝鮮半島の危機にいっそう拍車をかけるでしょう。
米トランプ政権は、北朝鮮に対する「良い軍事手段」の一つとして、「鼻血(ブラッディ・ノーズ)作戦」をひそかに検討していると報道されています。「鼻血作戦」とは、先に相手を殴って出血させ、震え上がらせて反撃する気を喪失させる作戦のことです。しかし、「鼻血作戦」がトランプ政権の思い通りに上手く行くとは到底思えません。アントニオ・グテーレス国連事務総長も「非常に悲劇的な状況の始まりとなる」と語っています。
ホワイトハウスは「鼻血作戦」について否認していますが、トランプ米大統領は2月23日、北朝鮮への対応について、「制裁に効果がなければ第2段階に移行せざるを得ない」「第2段階は手荒な内容になる」「(実行されれば)世界にとって非常に不幸な事態となる」と発言しました。「鼻血作戦」と同様の先制攻撃の可能性を自ら語ったのでした。
トランプ政権が北朝鮮への先制攻撃に踏み切れば、北朝鮮の報復攻撃によって韓国だけでなく日本も悲劇的な状況に陥るのは明らかです。
しかも日本は、「吉田・アチソン交換公文」(1951年9月)と「朝鮮国連軍地位協定」(1954年6月)によって、日本は自動的に参戦義務を負っていると言われています。日本の横田基地や厚木基地などから朝鮮戦争国連軍(アメリカ軍)の爆撃機等の出撃を認め、兵站調達の便宜を図らなければならなくなるのです。
まさに開戦です。とんでもない悲劇的な事態になります。場合によっては数百万人の犠牲者が出るかもしれません。しかし安倍政権は南北対話、米朝対話に背を向け、制裁の強化と米韓軍事演習の実施ばかりを主張している始末です。 「安倍9条改憲反対」とともに、「開戦反対!戦争するな!」の声を今こそ挙げなければなりません。
「安倍9条改憲NO!3000万署名」活動をさらに強めよう!
「安倍9条改憲NO!全国市民アクション」が提起している「安倍9条改憲NO!3000万署名」の取り組みがいま、いっそう緊急性を増しています。署名用紙はネットからダウンロードできます。
安倍9条改憲NO3000万署名.pdf
署名が集まりましたら、映画人九条の会事務局にお送りください。よろしくお願いいたします。
9条改憲NO!平和といのちと人権を!
5.3憲法集会2018
5月3日(木・憲法記念日)11:00スタート
有明防災公園(東京臨海広域防災公園)
今年も5月3日(木)、東京・有明防災公園で「5.3憲法集会」が行われます。
今年の憲法集会は、改憲案が国会に上程されようとしている時だけに、とりわけ重要です。これまでの参加者数を大きく上回る大集会が望まれます。
平和をつなぎ、未来をつむぐために、「9条改憲NO!平和といのちと人権を!5.3憲法集会」を必ず成功させましょう!
【お薦め映画紹介】
『コスタリカの奇跡〜積極的平和国家のつくり方〜』
日本とちがって、1948年に常備軍をもたないことを決め、それ以来、軍事費を教育や福祉にあててきた国がある。“米国の裏庭”と称された中米の小さな国コスタリカだ。今年12月には、軍隊を捨ててから70年を迎える。
冷戦時代、米国は中南米の社会主義化をはばみ、経済的利益を手にしようとしてCIAが暗躍し、各地に内戦を誘発させ、軍事クーデターを起こしてきた。そのなかにあって、国民の意思を反映して、あくまでも対話で紛争を解決するという姿勢を貫き、隣国の内戦を終わらせるという役割をコスタリカの政治家は担ってきた。
1983年、当時のモンヘ大統領は、レーガン米大統領が執拗にせまる軍事化の要求を、「非武装中立宣言」によって完全に拒否した。また、つづいて大統領に就任したアリアス氏は、対話で隣国の内戦を終わらせ、その功績によって87年にノーベル平和賞を受賞。その賞金を活用して「アリアス財団」をつくり、世界に平和を広げる活動を現在も展開している。
さらには、2001年の9・11後、米国はアフガン、つづいてイラクに戦争を開始したが、そのとき法律を学ぶ学生だったロベルト・サモラさんは、イラク戦争開始に賛同した当時の大統領を憲法違反で訴え、そして勝訴した。その判決をうけ、当時の大統領は、イラク戦争賛同表明をただちに取り消した。
軍隊を廃止し、「プラ・ヴィダ(純粋な人生を)!」と日常のあいさつで言い合う社会をつくってきたコスタリカの人々。本作は、その歴史を、当時の大統領や関係者、ジャーナリスト、弁護士になったサモラさん、一般市民、学生などのインタビューで明らかにしたものだ。
隣国の内戦を逃れてきた難民をすべて受け入れてきたコスタリカは、現在、人口の2割を難民が占めている。しかも彼らも、教育も医療も無料だ。それでも新自由主義の波がコスタリカにも押し寄せ、最近は路上生活者の姿が見受けられるようになっている。映画はそうした現在のコスタリカの姿、問題点も描いている。
安倍政権下での憲法改悪を阻止するためにも、「最大の防衛は軍隊をもたないこと」だというコスタリカの歴史と人々の姿を描いたこの映画を、ぜひ多くの日本人に見てほしい。各地で自主上映会の取り組みをすすめてほしい。
*3月24日(土)午後1時半〜専修大学において、「9条地球憲章の会」主催の「『コスタリカの奇跡』上映と駐日コスタリカ大使のお話」が行われます。また、4月下旬には共同監督の一人マシュー・エディさんが来日し、関連イベントが開催されます。
*『コスタリカの奇跡』上映会のご相談・申込みは、上映サポートの会「プラ・ヴィダ!」まで。
TEL.03−5802−3121(シネ・フロント編集部内) Eメール:costarica@cine-front.co.jp