映画人九条の会Mail No.61

2015.07.22発行
映画人九条の会事務局

目次

まさに 暴挙! 暴挙!愚挙 !
立憲主義と国民権を踏みにじる 違憲の 「戦争法案 強行採決 !」

 安倍・自公政権は7月15日、衆院特別委員会で「戦争法案」を強行採決し、翌16日には衆院本会議で強行採決しました。
 憲法違反の「戦争法案」を強行採決したことは、立憲主義を踏みにじるものです。また、「戦争法案」反対の圧倒的世論、国民の声を無視したことは、国民主権をも破壊するもので、まさに暴挙、まさに愚挙、まさに蛮行としか言いようがありません。
 憲法を守ろうとしないばかりか、憲法を破壊する安倍首相には、もはや首相の資格はなく、安倍政権そのものが違憲の存在です。
 私たち映画人九条の会は、違憲の「戦争法案」強行採決を、満身の怒りを込めて糾弾するとともに、「戦争法案」の廃案と安倍政権の即時退陣を強く求めるものです。

7月16日、「戦争法案」反対映画人アピール賛同者を記発表!

 「戦争法案」が衆院本会議で強行採決された7月16日、「戦争法案」反対映画人アピールの呼びかけ人である高畑勲監督、降旗康男監督、神山征二郎監督、ジャン・ユンカーマン監督、池谷薫監督、金丸研治・映演労連委員長と、事務局の高橋邦夫・映画人九条の会事務局長は、文科省記者クラブで記者会見し、「戦争法案」反対映画人アピール賛同者を発表しました。

 記者会見では冒頭、憲法違反の「戦争法案」が強行採決されたことに強い怒りをもって抗議する、と表明したうえで、「戦争法案」反対映画人アピールの主旨と賛同を呼びかけた経緯を説明し、今日までの賛同者数は、呼びかけ人を含めて446名にのぼっていることを報告しました。

 俳優の賛同者では、吉永小百合さん、大竹しのぶさん、倍賞千恵子さん、野際陽子さん、渡辺えりさん、監督・脚本家では是枝裕和さん、周防正行さん、井筒和幸さん、小栗康平さん、澤井信一郎さん、出目昌伸さん、本木克英さん、朝原雄三さん、鎌仲ひとみさん、平山秀幸さん、西川美和さん、山本晋也さん、小山内美江子さん、ジェームス三木さん、橋本忍さんら、日本映画界を代表する方々が賛同の声を挙げています。

 賛同するだけでなく、怒りを込めた痛烈なメッセージが数多く寄せているのも特徴です。是枝裕和監督は、「憲法解釈の歯止めなき拡大によって、今、民主主義が滅びようとしている」と語り、周防正行監督は、「民主主義を否定する現政権を許すわけにはいかない」と語っています。山田洋次監督も「ぼくたちの国の民主主義の危機を、なんとしてでも防ぎたいと思います」というメッセージを寄せています。本当に今、国民主権が脅かされ、民主主義が破壊されようとしている事態だということを、多くの映画人が感じているのです。

 記者会見では、「日本人には大勢順応のズルズル体質があるからこそ、憲法の一線を越えてはならない」(高畑監督)、「朝鮮戦争の直前、親世代の人に『次はお前たちの番だ』と言われたが、9条のおかげで戦争に行かずに済んだ。9条に風呂敷をかぶせて議会の多数で踏みにじることは絶対に許せない」(降旗監督)、「安倍首相は国民の理解が不十分だと言っているが、国民は十分わかっていて反対している」(神山監督)、「国家権力というのは大きな嘘をつく。その化けの皮がはがれてきているのが現状だ」(池谷監督)、「アメリカはたえず戦争にかかわってきたが、良いことは一つもない。アメリカがかかわることで問題は拡大し、深刻化する。平和憲法を守ったうえで積極的平和主義を」(ユンカーマン監督)、「映画人は戦前の映画法のもとで国策映画に協力させられた。その教訓を思い起こし、映画労働者も廃案を求めて闘う」(金丸委員長)など、熱のこもった発言が相次ぎました。

ある映画ファンは、「平和でなきや、映画を作れない。平和でなきや、映画を愉しめない。だから私は戦争法案に反対します」と語っていますが、これは映画人、映画愛好家の共通の思いです。

 「戦争法案」は参議院に送られましたが、闘いはこれからです。国民世論をこんなにも無視した安倍政権の暴挙を、国民が許すはずはありません。安倍政権の支持率も大きく下落しています。これからも映画人アピールへの賛同を広げ、必ずや「戦争法案」を廃案に追い込みましょう!

●「アピール/私たち映画人は「戦争法案」に反対します!」への賛同はこちらから

■「戦争法案」反対映画人アピール・第1次賛同者

(2015年7月16日現在/あいうえお順)

浅尾政行(脚本・監督)、朝原雄三(映画監督)、芦澤明子(カメラマン)、油谷誠至(映画監督)、有原誠治(映画監督)、粟木原毅(照明技師)、飯野高司(日活労組書記長)、池島ゆたか(映画監督)、池田太郎(脚本家・著作家)、石子 順(映画評論家)、一之瀬正史(映画キャメラマン)、井上 昭(映画監督)、井上淳一(脚本家・映画監督)、井筒和幸(映画監督)、伊藤 功(札幌映画サークル会員)、井上 徹(日本映画復興会議事務局長)、井上正子(脚本家)、今井一雄(元MIC議長)、今泉幸子(映画評論家)、岩切八郎(みどり松映画サークル代表)、岩澤勝己(脚本家)、岩田和憲(あいち平和映画祭副代表)、宇井孝司(演出家・脚本家)、上田耕一(俳優)、浦崎浩實(映画批評家)、浦野広明(立正大学法学部客員教授)、海老原卓生(映画会社勤務)、及川善弘(映画監督)、大川俊道(シナリオライター)、太田幸子(松戸親と子の良い映画を見る会事務局)、大竹しのぶ(俳優)、岡本健一郎(明石シネマクラブ代表委員)、岡本みね子(映画作家)、小栗康平(映画監督)、小山内美江子(脚本家)、岡村雄三(札幌映画サークル代表)、岡本明久(映画監督)、恩地日出夫(映画監督)、海燕社(映像製作)、片岡 良(プロデューサー)、梯 俊明(松竹労組書記長)、片桐直樹(映画監督)、桂 千穂(脚本家)、加藤正人(脚本家)、海南友子(ドキュメンタリー映画監督)、鎌仲ひとみ(映像作家)、河崎義祐(映画監督)、川嶋 博(映画屋さん)、河内正行(全東映労連執行委員長)、川又 昂(撮影監督)、河邑厚徳(ドキュメンタリー映画監督)、北川れい子(映画批評家)、くまがいマキ(映画配給)、熊谷延彦(鳥取コミュニティ・シネマ活動メンバー)、熊谷博子(映像ジャーナリスト)、桑田葉子(神戸映画サークル協議会委員長)、黒井和男(プロデューサー)、郡司 良(記録映画プロデューサー)、児玉 勲(編集者)、後藤幸一(映画監督)、小中和哉(映画監督)、小林義明(映画監督)、小室皓充(有限会社インディーズ代表)、是枝裕和(映画監督・テレビディレクター)、近藤明男(映画監督)、Shimpei Kitamura(Producer, Writer)、小池一雄(記録映画作家)、貞末麻哉子(映画制作者)、佐藤重直(映画監督・日本映画監督協会理事)、猿田ゆう(ウッキー・プロダクション)、澤 昌樹(プロデューサー)、澤井信一郎(映画監督)、澤島 忠(映画監督)、ジェームス三木(脚本家)、柴山幸生(松竹労組分会書記長)、清水喜美子(脚本家)、白鳥あかね(脚本家・スクリプター)、下田武応(映像・イベントプロデューサー)、下村 優(監督)、周防正行(映画監督)、鈴木龍男(前進座)、鈴木瑞穂(俳優)、須藤遙子(日本学術振興会特別研究員)、関口祐加(映画監督)、関谷先弘(大映労働組合元委員長)、想田和弘(映画作家)、田居 因(スタジオジブリ出版部)、岡亨樹(映像作家)、高岩 震(キャメラマン)、高野健太郎(映画会社勤務)、高野昭二(映画監督・シナリオセンター大阪校講師)、高橋一郎(映画監督)、高橋邦夫(映画人九条の会事務局長)、高橋正治(監督)、竹内 守(映画センター全国連絡会議議長)、田口 仁(映画監督)、伊達浩太朗(映画プロデューサー)、田中重幸(角川映画労組副委員長)、地畑寧子(ライター)、出川三男(美術監督)、出目昌伸(映画監督)、寺西國光(日本映画テレビプロデューサー協会員)、内藤 誠(映画監督)、仲内節子(蕨市自主上映サークル事務局長)、長瀬未代子(脚本家)、中田新一(映画監督・プロデューサー)、永田良明(映画配給職員)、長沼六男(撮影監督)、中野理恵(映画プロデューサー)、中村里美(映画「アオギリにたくして」企画・製作・プロデューサー)、西 晶子(映画宣伝・配給)、西井 稔(立川親と子のよい映画を見る会)、西尾大介(アニメーション演出)、西川美和(映画監督)、西口芳美(スタイリスト)、貫井敏子(シネマ散歩道代表)、布村 建(映像プロデューサー)、野上照代(昔、黒澤組スタッフ)、野際陽子(俳優)、倍賞千恵子(俳優・歌手)、橋本 忍(脚本家)、長谷部利朗(映画監督協会会員)、羽渕三良(映画評論家)、浜田佳代子(シネ・フロント編集長)、原 一男(映画監督)、原田 浩(アニメーション演出)、班 忠義(ドキュメンタリー映画監督)、坂西 勝(東映動画労組委員長)、比嘉世津子(映画配給)、東陰地正喜(映像作家)、日向寺太郎(映画監督)、平沢清一(映画ライター)、平野共余子(映画史研究者)、平山秀幸(監督)、福田やよい(茅ヶ崎良い映画を観る会)、福与純二(マエダオートドライバー)、古居みずえ(映像ジャーナリスト)、星埜恵子(美術監督)、星山 圭(記録映画監督)、細野辰興(映画監督)、堀川とんこう(演出家)、前沢哲嗣(山梨県立大学教授)、松井久子(映画監督)、松井良彦(映画監督)、まつかわゆま(シネマアナリスト)、松嶋淳理(映画監督)、松本真樹(脚本家)、松本 平(元日活)、マルセル・マルタン(映画評論家)、三上智恵(映画監督)、水川淳三(映画監督)、水野 清(日本映画テレビプロデューサー協会員)、溝口真也(松竹労組副委員長)、宮崎信恵(監督)、三好 寛(学芸員)、村野鐵太郎(映画監督)、村山正美(記録映画監督)、本木克英(映画監督)、山上徹二郎(映画プロデューサー)、山口逸郎(映画プロデューサー)、山崎定人(映画監督)、山下史朗(映画作家)、山下久仁明(シナリオ作家協会)、山田和也(ドキュメンタリー映画監督・テレビディレクター)、山田耕作(京都映画サークル会員・京大名誉教授)、山野竜之介(脚本家)、山室一貫(俳優)、山本晋也(映画監督)、山本 駿(撮影監督)、山本洋子(映画監督)、吉永小百合(俳優)、吉村次郎(元東映アニメーション撮影)、吉村秀二(九州シネマ・アルチ代表)、吉村英夫(映画評論家・元愛知淑徳大学教授)、綿井健陽(ジャーナリスト・映画監督)、渡辺えり(俳優)、渡辺千明(脚本家)────ほか多数。

合計 436名

【呼びかけ人】
高畑 勲(アニメーション映画監督)、降旗康男(映画監督)、羽田澄子(記録映画作家)、神山征二郎(映画監督)、ジャン・ユンカーマン(ドキュメンタリー映画監督)、池谷 薫(映画監督)、大澤 豊(映画監督)、大林宣彦(映画作家)、山田洋次(映画監督)、金丸研治(映演労連委員長)

呼びかけ人+賛同者合計 446名

★その後も岩井俊二さん(映画監督)が賛同を寄せるなど、アピール賛同者は増え続けています。

■主な賛同者のメッセージ(あいうえお順)

●朝原雄三(映画監督)
本当に安倍政権ってのは滅茶苦茶だなあ、と毎日ニュースが伝えられるたびに思うのです。「映画人」などと名乗るのはおこがましいようなキャリアですが、何より日本人として「戦争法案」の今国会での成立には反対します。

●池谷 薫(映画監督/呼びかけ人)
私が作った『蟻の兵隊』は中国残留日本兵の悲劇を描いた映画でした。その時の教訓は「国家は大きな嘘をつく」。理不尽な戦争を続けさせられた兵士たちを、戦後日本政府は見捨てたのです。当時、取材していて気になることがありました。元残留兵らが「日本はまた戦争する国に向かっている」と言ったのです。 それから10年、彼らの多くは亡くなりましたが、もし生きていたら安倍政権の暴走ぶりをなんと言うでしょう。だが諦めてはいけません。後に続く世代の我々が、今こそ声を上げようではありませんか。

●上田耕一(俳優)
海外に軍隊を出しては、いけません。集団的自衛権と後方支援という名目で戦争をしてはいけません。前回の戦争でも「国のため、国民のため」と称して、大変な被害を受けたのは、一般国民でした。この「戦争法案」を成立させたら、今度は私たち国民が加害者になるのです。

●及川善弘(映画監督)
時の内閣の勝手な解釈は許されません。憲法は日本人の宝です!

●大澤 豊(映画監督/呼びかけ人)
去る6月4日、衆議院憲法審査会で「立憲主義」をテーマに招致された参考人の憲法学者3氏がそろって、集団的自衛権を可能にする戦争法案について「憲法に違反する」との認識を表明しました。参考人は審査かい幹事会で各党が協議して決めたものです。この与党も含めて合意した参考人全員が違憲の判断を示したことで戦争法案の違憲性が一層鮮明になりました。潮目が変わってきています。チャンスです! 安倍政権が企てる「戦争する国づくり」を断固許さず「戦争法案」を廃案に葬り去りましょう。安倍さん、もうこれ以上の暴走はいけません。

●大林宣彦(映画作家/呼びかけ人)
日本はいま、とんでもない危機に面しています。この切羽詰まった状況を、自覚しましょう。敗戦後に作られた(1950〜1965年辺りの)日本の戦争映画を、どれでも一本見て下さい。そして今の日本を、将来の日本を考えてみて下さい。戦争についてよく学ぶことが、この危機を、正気に戻す力となります。映画は「正義」よりも、人間の「正気」を物語っております。映像の力で、日本に平和を!……今こそ映画の力と美しさを使って、日本の平和を守るときです。

●小山内美江子(脚本家)
1945年8月、私は15才でした。今、85才、戦後の70年をしっかり見て今日まで参りました。新憲法が発布され、私たちは2度と戦争というおぞましいものによって殺される事はないのだ、という安心感を喜び。それはあの時の日本人の誰もが有難がって、平和というものを噛みしめたのに、5年後には朝鮮戦争がはじまって自衛隊のもとになる警察予備隊が生まれ、再びきなくさくなりそうではあったけれど九条がある限り大丈夫、決して戦火に焼かれることはないと、すべての日本人が信じていた60年があり、次の10年で様子が変わって来たと思う。そして今や日本はまさに剣が峰。大きな声をあげよう!みんなで戦争はダメだーッと。

●鎌仲ひとみ(映像作家)
この法案が通ってしまったら、日本の歴史に残る、禍根となると思います。阻止したいです。

●河崎義祐(映画監督)
何があっても“戦争法案”に反対します。この命賭けても!

●川又 昂(撮影監督)
 戦争体験者として、絶対に反対します。家族全員同じです(四人)。

●北川れい子/浦崎浩實(映画批評家)
安倍血脈の敗戦コンプレックスの犠牲にされては浮かばれない。死者も生者も!

●黒井和男(プロデューサー)
戦時中、グラマンに機銃掃射を受けた記憶がいまだに残っています。もう命のやりとりはごめんです!

●神山征二郎(映画監督/呼びかけ人)
名門の嫡流だった近衛文麿は1937年、時の総理大臣として「暴戻支那懲庸」(乱暴者の中国を懲らしめよう!)と大演説を打ち日本国民を戦争にかり立てました。七年後の1945年、日本は敗れ、戦争犯罪人として裁かれる前に青酸カリ服毒自殺をとげました。あの戦争の内外での数限りない悲劇の一つです。 私たちは戦争の悲劇を二度と体験したくないし、見たくもありません。平和憲法九条を世界中に広めて行こうというのが私たちの考えなのです。

●小中和哉(映画監督)
日本は「戦争をしない国」という看板を下ろしてはいけない。「戦争をしない国」だからこそできる平和貢献の道を探るべき。憲法を軽視する安倍政権の暴走をとめなくてはいけません。

●是枝裕和(映画監督・テレビディレクター)
現政権は、政治権力が憲法によって縛られるものである、という原則をそもそも理解していない。国民の多くも、憲法が我々の武器であるということを理解していない。それは教育の、そしてメディアの責任である。憲法解釈の歯止めなき拡大によって、今、民主主義が滅びようとしている。その危機に直面して、少しでも「否」の声を社会に向けて発したいと思います。

●近藤明男(映画監督)
最悪法案に強く反対し、小さな声を集めて廃案に!

●佐藤重直(映画監督・日本映画監督協会理事)
自由と平和と生命(いのち)を守るのが映画監督、いや、映画人の使命!! “戦争法案”絶対に反対です。

●ジェームス三木(脚本家)
主権は国民に在る。

●白鳥あかね(脚本家・スクリプター)
戦時中、疎開先でのひもじさは忘れません。次世代のこどもたちに、二度とあのような思いをさせたくありません!

●周防正行(映画監督)
民主主義を否定する現政権を許すわけにはいかない。

●鈴木瑞穂(俳優)
戦争も知らず、歴史も学ばず、未来への想像力にも欠けた、政治家(屋)達を許す事は出来ません。

●関口祐加(映画監督)
表現をなりわいとする映画監督であり、今年16歳になる息子の母親でもあります。絶対に息子を戦場に送る母親になってはならないと思っています。(中略)心から「戦争法案」に反対します!

●想田和弘(映画作家)
アピール文の一字一句すべてに賛同するわけではありませんが、安倍政権が進める「戦争法案」に反対するという点には強く賛同いたします。進め方も内容もめちゃくちゃです。 大林監督が「敗戦後に作られた(1950〜1965年辺りの)日本の戦争映画を、どれでも一本見て下さい」とおっしゃってますが、まったくその通りですね。特に安倍さんには小林正樹監督の『人間の條件』6部作、いや、1部2部だけでも観てほしい(絶対観てないと思う。だって観てたらこんな法案作らないよね!)。いま問われているのは、まさにわたしたちひとりひとりの『人間の條件』なのだと思います。

●出川三男(美術監督)
居ても立っても居られない日々だけど、何一つ具体的な行動を起せず、忸怩たる思いです。

●内藤 誠(映画監督)
私は憲法9条を守るためのあらゆることに賛同します。

●中田新一(映画監督・プロデューサー)
日本監督協会員で100人いないと聞き悲しみ、また協会の考え方に驚いています。とりいそぎ賛同します。

●長沼六男(撮影監督)
打倒 戦争法案! 打倒 安倍政権!!

●西川美和(映画監督)
過去に学ばない愚かな国の住人になりたくないと思っております。

●野上照代(昔、黒澤組スタッフ)
さき程、安保関連法案が強行採決された! 全く非道い。アベがアメリカへ日本国民を売ったことではないか。映画も、マンガやデジタルで現実ばなれをしたものばかり作っていないで、この現実を直視してほしい。

●倍賞千恵子(俳優・歌手)
すべての戦争に反対です。どんな理由があっても。戦争をしていいことはないと思います。

●羽田澄子(記録映画作家/呼びかけ人)
戦争の時代に育った私は、戦争のひどさとともに、平和の素晴らしさを身にしみて体験しています。いまや戦争を知らない世代の時代になり、戦争のできる政治をめざす与党の方針に大きな不安を感じています。何としても戦争は避けなければと思います。

●堀川とんこう(演出家)
私たちの国は、安倍政権によって非常に危険な方向に舵を切りつつあります。憲法を守り、なんとしても戦争法案を阻止しなければならないと思っています。

●前澤哲爾(山梨県立大学教授)
アドルフ安倍の憲法違反法案に反対します。

●三上智恵(映画監督)
辺野古に建設する軍港と滑走路と弾薬庫が一体になった基地は日米両軍の出撃基地になります。宮古・八重山に配備される自衛隊のミサイル部隊は地上戦の呼び水になる。集団的自衛権で南西諸島は再び戦場にされる。刻一刻と戦争に近づいている現状を何としても止めなければなりません。

●本木克英(映画監督)
木下恵介監督がよく仰っていました。「政治家の勇ましい言葉は疑いなさい。必ず破滅に向かわされます」と。

●山田洋次(映画監督/呼びかけ人)
ぼくたちの国の民主主義の危機を、なんとしてでも防ぎたいと思います。

●山本晋也(映画監督)
まず、与党議員の皆さんに申し上げたい。先の大戦は力では得るものがないという事を学んだはずだ。法案を通し、いずれ、己を議員にしてくれた選挙民たちのもとから、若者を奪って、自責のない、冷血人間になる覚悟は本気なのか? どの紛争地域で戦いが起きようと、法案を通した議員諸氏は必ず後方の絶対安全な場所にいるはずだ。もし、安倍氏をはじめ与党議員全員が、安倍氏を先頭に銃を持って、助ける相手の敵に向っていくならまだしも、そんな覚悟はあるまい。その自己犠牲など皆無のくせに、法案通して無責任の極みだ! 与党議員が安倍氏を戦闘の戦陣に立てて戦うのなら、どうぞ法案を通しなさい!

★映画人九条の会のHPには、さらに多くの方々のメッセージが載っています。

戦争法案反対闘争・憲法闘争の主な行動予定

●戦争法案反対国会前集会

【日時】7月23日(木)〜毎週木曜日 18時30分〜19時30分
【場所】衆議院第2議員会館前〜参議院議員会館前
主催:戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会

●安倍政権NO!0724大行動

【日時・場所】7月24日(金) 18:30〜19:30日比谷野音集会
19:00〜21:00 官邸包囲・官邸抗議
【出演】小林 節(慶応義塾大名誉教授)、池田香代子(ドイツ文学翻訳家)、宝田 明(俳優) 石井夕紀(バイオリン演奏)、小森陽一(九条の会事務局長/東大教授)
【場所】東京/なかのゼロ・大ホール
【申込&参加費】事前申込制、参加費1500円
【主催】九条の会東京連絡会=03-3518-4866

●とめよう!戦争法案 集まろう!国会へ 7・26国会包囲行動

【日時】7月26日(日) 14:00〜15:30
【場所】国会議事堂周辺

●戦争法案反対!7.28日比谷集会&デモ

【日時】7月28日(火)18:30〜
※集会後デモ行進

●戦争法案反対国会前集会

【日時】7月30日(木)〜毎週木曜日 18時30分〜19時30分
【場所】衆議院第2議員会館前〜参議院議員会館前
主催:戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会

●8月末から9月の行動について

 総がかり行動実行員会が「8・30国会大包囲行動」(14時〜、国会周辺)を検討しています。 また、参院採決と衆院3分の2再可決を阻止するため、9月前半に「戦争法案ゼッタイ廃案!全国統一行動」(仮称/9月第1週、第2週の水曜日で調整中)が検討されています。

★9・9映画人九条の会学習集会
「戦争法案」がこの国にもたらすもの
講師/山田 朗(明治大学教授)

 「戦争法案」が強行されて実際に集団的自衛権が行使されたらこの国はどうなるのか、ホルムズ海峡に機雷掃海に行って攻撃されることはないのか、南沙諸島で米軍と中国軍が衝突して自衛隊が出撃したらどうなるのか、本当にこの国は戦争を起こしてしまうのか、その場合、国民生活はどうなってしまうのか──。
「戦争法案」をめぐって緊迫した情勢にある今、映画人九条の会は軍事問題の第一人者でもある明治大学の山田朗教授に、「戦争法案がこの国にもたらすもの」をリアルに語ってもらいます。皆さま、ぜひご参加ください。

●日時/2015年9月9日(水)18:50〜20:30
●場所/東京・文京シビックセンター4階・シルバーホール

東京都文京区春日1-16-21 電話03-3812-7111  地下鉄丸の内線・南北線「後楽園駅」徒歩1分/都営三田線・大江戸線「春日駅」徒歩1分

●資料代/800円   ●主催/映画人九条の会

【映画批評】

日本のいちばん長い日-THE EMPEROR IN AUGUST

いま、侵略戦争の教訓、天皇の戦争責任こそ描かれるとき

羽 渕 三 良(映画人九条の会運営委員/映画評論家)

 この映画は太平洋戦争末期、1945年4月、鈴木貫太郎内閣(山崎努)が組閣され、8月15日、天皇の玉音放送が国民のところに届くまでを克明に描いている。7月、連合国は「ポツダム宣言」の受諾を迫ってくる。8月14日、鈴木内閣の閣僚たちは、御前会議を開き、天皇(本木雅弘)の聖断をあおぐ。閣僚たちは、国体護持、本土決戦を勇ましく言うが、天皇だけは異なっている。

 「本土決戦を行えば、日本民族は絶えてしまう。一人でも多くの日本国民に生きのびてもらい、日本の再生をお願いする」

 この作品は昭和天皇が戦争を止めただけの話でなく、戦争を止めるためにどういう思いで国民に心を向けていたか、これが大きく打ち出されている。このことがこの映画の最大の特徴である。

 今年は戦後70年の年。この映画は「戦後70年」を記念してつくられた。だが、昭和天皇の戦争責任の追及の問題意識が見られない。「ポツダム宣言」が発せられたのは1945年7月26日。日本が受諾したのが8月14日。その間に広島、長崎に原爆が投下され、せめて受諾が10日早ければ、広島、長崎の悲惨な悲劇は起こらなかった。

 「ポツダム宣言」受諾前後、国際社会は天皇の戦争責任に対する追及は大変きびしいものがあったが、当時アメリカが高度な政治判断をし、東京裁判で昭和天皇への戦争責任を免罪した。このことが、今日の日本社会の「過去の克服」が遅れている最大の原因であり、安倍内閣の「戦争法案」をはじめとする暴走もその「あらわれ」の一つだ、と考えるがどうか。

 「戦後70年」の今こそ、侵略戦争の教訓を掘り下げ、天皇の戦争責任を明らかにする映画が作られるべきではなかろうか。8月8日(土)から公開される。

【お薦め映画紹介】

●8/1〜7、『人間の條件』(第1部〜第6部)が一挙上映!(丸の内ピカデリー2)

 反戦のメッセージと人間愛を壮大なスケールで描いた不朽の名作『人間の條件』(監督・小林正樹/原作・五味川純平)全6部が、8月1日から7日まで、東京・丸の内ピカデリー2で一挙上映されます。この一挙上映に際して、主演の仲代達矢さんが以下のコメント出しています。

 「『人間の條件』では、戦争反対を唱えるヒューマニストであった梶という人間が、結果としては戦争に参加して死んでいくことになります。被害者が加害者になっていく、戦争に対する批判を持ちながら、加害者になっていくという一つの典型を描いている。当時の軍隊とはどういうものだったか、戦争とはいかなる悲惨なものであるか、戦争の中で、人間がどう変わっていくのか、という姿をリアルに、実に克明に描いた作品です。
いま、集団的自衛権などと言って、色々と戦争の方向へ向いていくんじゃないかというきな臭い時、『人間の條件』を改めて見て頂くということは、非常にタイムリーなことだと思うんです。若い人にも是非見て頂きたいと思います」〜仲代達矢

●チベットの“焼身抗議”を描くドキュメンタリー映画「ルンタ」上映中

 『蟻の兵隊』『先祖になる』の池谷薫監督の最新作、チベットの“焼身抗議”を描く衝撃のドキュメンタリー映画『ルンタ』が、東京・渋谷のシアター・イメージフォーラムで公開中です。テーマは非暴力に徹したチベット人の誇り高い心と人間の尊厳。順次全国公開される予定です。
 また、池谷監督の『蟻の兵隊』も、7月18日〜31日まで東京・ポレポレ東中野で、戦後70年アンコールモーニングショー(連日10:20より)として公開されています。


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