映画人九条の会Mail No.10

2005.11.28発行
映画人九条の会事務局

目次

映画人九条会一周年集会を成功させよう!

 12月13日(火)の映画人九条の会一周年集会が近づいてきました。

 自民党は11月22日の結党50周年大会で、憲法9条第2項を削除して「自衛軍」の保持を明記した「新憲法草案」を正式に発表しました。日本をアメリカの言いなりに戦争する国にしようという改憲の策動はますます加速していますが、おごる自民党に危機感を感じ、9条改憲に反対する運動も前進しています。

 全国の九条の会は3000を超え、結成一周年を迎える会も少なくありません。私たち映画人九条の会も今年11月24日で満一周年を迎えました。一周年記念イベントとして12月13日に行う一周年集会「映画人、九条への想いを語る!」をどうしても成功させなければなりません。東京近在にお住まいの映画人九条の会会員の皆さん、皆さんの周りの人にぜひお声をかけ、誘い合ってご参加ください。お待ちしています。

自民党が「新憲法草案」を発表!

 自民党は11月22日の結党50周年大会で、「新憲法草案」を正式に発表しました。「新憲法草案」は、9条第2項を削除して「自衛軍」の保持を明記し、世界の宝と言われている日本の平和憲法を「戦争憲法」に変えようとしています。日本国憲法の基本的な骨格である平和主義と基本的人権を破壊し、日本をアメリカの言いなりに戦争する国にしようというものです。

 しかし、「戦争憲法草案」を掲げた自民党は、国内外で矛盾を深めています。靖国問題では世界中から孤立し、ブッシュに一方的に約束してしまった日本の米軍基地強化では、自治体ぐるみの反対運動が起こっています。多くの人がおごる自民党に危機を感じ、コイズミに戦争への危険を感じ取っているのです。

 来年の通常国会には、改憲のための国民投票法案が出てきます。そして、自民党や公明党、民主党による憲法改憲案のすりあわせ作業が始まります。

 3000を超えた九条の会は、今も全国で次々と新しい会が誕生していますが、改憲勢力の動きを上回る運動の発展が求められています。頑張りましょう。

〔憲法改悪反対共同センターが抗議の談話/要旨〕

 憲法改悪反対共同センターは、自民党が新憲法草案を正式に発表したことに対し、抗議の談話を発表しました。

 その要旨は、「自民党の草案は、戦争の反省のうえに不戦の決意を内外に誓った9条2項(戦力の不保持、交戦権の否認)を削除し、新たに自衛軍の保持を明記し、自衛軍による海外での武力行使を可能にし、アメリカが引き起こす無法な戦争に日本が積極的に参加することを公然と宣言したものにほかならない。まさに、「戦争をしない国」から地球上のどこででも「戦争をする国」への変質、これこそが自民党の新憲法草案の最大の目的であり狙いである」
 「憲法改悪反対共同センターは、日本国憲法を根底から破壊し、国民に大きな不幸をもたらし、アジアと世界の人々に対して背信の暴挙とならざるを得ない自民党の新憲法草案に断固として反対するとともに、日本の宝であり、いまやアジアと世界でも目標とされるに至った憲法9条を守り、これを生かし切ることにこそこの国と社会の未来がある。共同センターは、「憲法改悪反対の一点」で思いを同じくする、すべての団体・個人とともに日本を再び戦争する国にしないために断固としてたたかい抜くことを呼びかけ、日本の戦後史を画する憲法改悪反対闘争で、日本と世界の未来を開く歴史的な役割を自覚し、勝利をめざして全力をあげるものである」と強調しています。

九条の会が分野別の会と交流・懇談会

 「九条の会」は10月25日、分野別の「会」との交流・懇談会を開き、それぞれの運動を交流するとともに、それぞれの問題意識、悩みなどについて意見交換しました。

医療者の会
先日「会」を結成した岡山では、医師が直接賛同を呼びかけるなど、すそ野が広がっている。9月25日の朝日新聞に出した意見広告に大きな反響があり、募金も事務の人や業者から寄せられた。11月12日、東京で結成1周年の講演会を開く。
宗教者の和
日本のカトリック司教16人中13人、仏教関係もほとんどの総本山の代表が賛同人となった。20条への関心も高く、靖国神社問題についても宗教者の立場で論議されている。11月5日に「第1回平和巡礼とシンポジウムin東京」を開く。
音楽の会
専門家だけでなく、アマチュア合唱団や音楽愛好家にも賛同をよびかけ、当面1万人の賛同をめざし、リーフレットを作っている。来年1月26日、大阪で「音楽・九条の会コンサート」を開く。
マスコミの会
マスコミの会として一番やるべきことはメディア・ウォッチングをし、伝えていくこと。そのために、新聞・テレビの分担をつくる。先日は選挙報道についての学習会をした。
映画人の会
「映画と講演の夕べ」を2回開いて成功させた。会員は著名な俳優や監督を含め1100人なった。結成1周年記念集会として12月13日、「映画人、九条への想いを語る」を開き、7人が話をする。
科学者の会
毎月100人ぐらい賛同者が増えているが、もっとピッチをあげないといけない。賛同者がそれぞれの学園で「会」を作っているが、東京、京都、北海道など対象者が多い地方で「会」をつくりたい。
女性の会
9条と24条、25条、27条を結びつけた3回のシンポジウムを開いている。これまでにない報告者の組み合わせが実現した。5時間位のリレートークをしたいとの声も。各地に「会」を作りたい。
詩人の輪
2月に開いた1回目の「詩人のつどい」は90人の会場に130人が参加し盛況。2回目は結成1周年を記念して11月6日に開く。リレートークや自作の詩の朗読、一人1分のフロア発言を予定している。
俳人の会
15人がよびかけ人になって発足し、広範な俳人の団体の加入者ら530人を超えた。九条の会アピールを広げることを重視している。長野にも「会」ができた。年内によびかけ人会議を開く。
農林・水産の会
対象者が全国に散らばっているため、まだ賛同者が地域的にかたよっている。賛同者の一言を集めてブックレット作っている。年内によびかけ人懇談会を開く。

 懇談では、相互のネットワークを強めること、今後こうした交流・懇談会は2〜3カ月に1回開いていくことを確認しました。

(「九条の会」ニュース第55号より転載)

映画人九条の会呼びかけ人の一人、高村倉太郎さん(日本映画撮影監督協会名誉会長)が逝去

 映画人九条の会の結成呼びかけ人の一人である高村倉太郎さん(日本映画監督協会名誉会長・84歳)が11月21日、亡くなられました。心からご冥福をお祈りします。

 昨年11月24日の映画人九条の会結成記者発表での高村さんのご発言を採録し、高村さんの9条への思いを私たちももう一度噛みしめたいと思います。

 なお、11月26日から12月9日まで東京池袋・新文芸座で高村倉太郎さんの作品の特集上映「撮影監督・高村倉太郎特集」が始まっています。新文芸座 TEL 03-3971-9422

高村倉太郎
「撮影監督協会の高村です。私は昭和14年に松竹に入り、現在、日本映画撮影監督協会の名誉会長をやっています。
 私が松竹に入った頃、昭和14年という年は、すでに国はほぼ戦時体制に入りつつあり、映画法が制定されたり、映画人協会というのが設立されたりして、映画人もどんどん国策に沿った体制へと移っていった時代です。
 その頃は私たちも、国のためにとか、映画を守るためにとか、いろんな観点から国策に沿ったことをやるのが当然、というふうに考えていたんですが、実は私も戦地に行きまして、戻ってきて戦後初めていろいろなことを知ることで、戦争というものがいかに人類にとって無駄な、そしてなんの成果もないことだということに気がつきまして、日本が率先してこの九条を憲法に入れたということは大変素晴らしいことだ、というふうに私はその時思ったのです。
 ところが最近、それがやや怪しくなってきて、9条を見直そうなんて。なんのために見直すのか。せっかく世界で一番進んだ形の憲法9条を、何のために見直すのかということを考えると、またまた私が(映画界に)入った昭和14年に戻っていくのではないかと思いまして、いささか恐れをなしており、この会が結成されることを聞いて、率先して参加させていただいたというわけです」

11・19国民大集会に35,000人が参加!

 国民大運動実行委員会と憲法改悪反対共同センターが主催して、11月19日(土)東京・明治公園で行われた「憲法改悪、庶民大増税を許さない11・19国民大集会」には、北海道から沖縄まで全国47都道府県から35,000人が参加しました。

 映画人九条の会ものぼり旗を持って参加し、青山コースをデモ行進しました。

【情報】

12月8日(木)、「未来へ 非戦を選ぶ演劇人の会ピースリーディングvol.8」
 非戦を選ぶ演劇人の会は12月8日(木)、なかのZERO 西館小ホールで「未来へ 非戦を選ぶ演劇人の会ピースリーディングvol.8」を行います。開演19:00(受付開始18:00、開場18:45)。入場料金:1000円(電話予約受付中)。チケット予約:03-3366-6786(コマンドエヌ) 。問い合わせ:非戦を選ぶ演劇人の会(青年劇場内 03-3352-6922)。
 リーディング出演予定者(五十音順):麻丘めぐみ、稲荷卓央、大沢健、片岡弘貴、川原亜矢子、岸田今日子、草野徹、楠侑子、小林達雄、沢田知可子、根岸季衣、長谷川博己、藤本浩二、毬谷友子、山崎ハコ、吉田日出子、渡辺えり子、宇宙堂劇団員他。 座談会出演者:相澤恭行(PEACE ON)、渡邉修孝(米兵・自衛官人権ホットライン)他。
 映像上映:古居みずえ監督のドキュメンタリー『ガーダ 〜パレスチナの詩〜』の予告編の上映と古居監督のお話。そして、イラクのファルージャの惨状を伝える『ファッルージャからの証言』(制作:アル・キターフ芸術プロダクション/2005年/約32分)の一部上映を行います。
12月10日(土)、「『映画日本国憲法』出演者来日記念・上映会+シンポジウム」
 「映画日本国憲法」を製作したシグロは12月10日(土)「『映画日本国憲法』出演者来日記念・上映会+シンポジウム/どうする!? わたしたちの憲法。アジアからの声を聞く」を行います。
 日時:2005年12月10日(土)13:30〜(開場:13:00)
 場所:全電通ホール(JR御茶ノ水駅より歩5分)TEL:03-3219-2211
 入場料:当日券2,500円 前売券:2,200円
 13:30『映画日本国憲法』上映(1)/15:10基調講演「憲法と沖縄」・大田昌秀氏(参議院議員、元沖縄県知事)/16:20シンポジウム「アジアから見た日本、そして憲法」・班忠義氏(作家・映画監督、中国)・韓洪九氏(歴史家、韓国)・ジャン・ユンカーマン氏(『映画 日本国憲法』監督、アメリカ)/18:10『映画日本国憲法』上映(2)
 問い合わせ:シグロ(TEL:03-5343-3101 担当:古山)

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